バルタン星人タテ分身!
投稿者:怪獣三昧 作成日:2022/02/22 10:36 |
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◆【はじめに】
昭和46(1966)年7月24日放映当初から令和の現在まで、執拗に地球とウルトラマンを狙い続ける、ウルトラ兄弟&人類の仇敵=ご存知「宇宙忍者・バルタン星人」。火星に存在するスペシウムを苦手とし、代用として地球への侵略を試みたのがすべての因縁の始まり…そこからウルトラマンとの物語がスタートしたという、まさにウルトラ関連ヒーローに対する永遠のライバルでもある。
(~星人という呼称が付いたのは、このバルタン星人以前は火星人しか存在しなかった。)
造型は、これも釈迦に説法=彫刻家の成田亨御大がデザインした前番組「ウルトラQ」の、ロボット怪獣(隕石怪獣ではない)ガラモンの操縦者=セミ人間を改造(…とのウワサ?)で誕生し、声はあのマタンゴの流用で…これ以上の解説は長くなるので、各自Wikiなどをご参考まで。
◆【初代ウルトラマン第二話「侵略者を撃て」】
198X年の某日、科学センター(=実は、神奈川県川崎市の高津区菅生の浄水場)が、何者かに占領された。当警備員と防衛隊員が二手に分かれて左右に展開した矢先、視聴者目の前にある赤い円柱形のコンクリからジワリと現れた、本邦、いや世界初!「初代バルタン星人」初公開のあの瞬間!…そして即座に左右に(=2体に)タテ分裂し、先にいる人間2人を、その巨大なハサミから出す赤色の?冷凍光線で固定!!! し、そしてもとの1人に戻り、またバックの赤い円柱形のコンクリにゆっくりと消えていく…
当時、コレを観たチビッ子たちは、まるで前番組「ウルトラQ」の怪奇テイストそのものじゃん!とにかくバルタンとの対話をするというムラマツキャップの提案、その大役を担うイデ隊員の「~キレキレテ…」という、解かりにくいと揶揄された宇宙語の披露。アラシ隊員の脳髄!を借りたバルタンとハヤタのネゴシエーション → 交渉失敗直後のバルタンの巨大化(=等身大の宇宙人が巨大化したのは、ウルトラQのケムール人に引き続き、このバルタン星人が「世界で2番目」)!…
しかし、肝心のウルトラマンとバルタンとの死闘は、真っ暗なビル街~工業地帯の上空。バルタン攻撃をギリギリでかわす飛行体形のウルトラマン→空中で組み合っての死闘にてハサミが破損するバルタン、最後は 「火星にあるバルタンが大キライな物質 」スペシウム光線一閃で、わりとアッサリとエンド。
(参考:名機「マルス133」がバルタン再登場「科特隊宇宙へ」にて初登場するが、その威力はスペシウム光線と同等の威力を持ち…それもそのはず=マルス133の「マルス」とは、Mars=火星…という意味なんですよ…釈迦に説法でしたか?)
このウルトラマン第二話…バルタン星人の特殊能力(分身・核攻撃効果ナシetc.)と、科特隊のギャグメーカー=イデ隊員の怪演?熱演?が、存分に披露された…またハヤタ隊員が相当に無理をした変身(ビルからの飛び降り行動)を起こしてしまったという、スゴい演出回として有名である(…この話=ウルトラマン本放送の期間中でも人気があり、ある日曜日の昼に「怪獣無法地帯」とともに再放送された!)。
◆【唯一無二のタテ分身のバルタン星人を魔改造製作!】
…という前述の有名なシーン=「ダレも造らない禁断シリーズ第1弾:バルタンタテ分身!」。ベースとなったのは、ビリケン商会1986年製のバルタン¥2,500(初版=ハサミが可動改造版)と、次のロッドのモノ(=ハサミ固定)の2体。原型は、原武裕水氏。
どうしてこんな凄まじいリアル造型の30cmサイズ版の怪獣・宇宙人を、老舗ビリケン商会は2,000円~3,000円代でリリース出来るんだろう?と思っていた、昭和の終わりのガレージキット黎明期…実に良い時代でした。
これらのデッドストック未開封2品をジッと見つめること数分、「あ~、いままで、そしてこれからも誰も造らない「バルタンのタテ分身」を製作しよう、と思い立った時は、もうすでに伝家の宝刀「本多電子製:超音波カッター(現在=店頭在庫のみ)」を手にして、ほぼフリーハンド?フリースタイル?で、アタマの部分をカットしておりました。
◆【頭部の製作】
2個のビリケンバルタンが、ホントに1.5人分のような「ダマシ絵のようなバルタン星人」になるのかなぁ…?と、思っていたが、ものの30分弱で、写真の分身バルタンが出来上がった。実にカンタンで拍子抜けをした次第です。これもひとえにホンモノのバルタン星人の頭部デザイン&ビリケンの出来がじつに秀悦である…ということの証明なのでしょう。
◆【目の製作】
バルタンの特徴ある眼に使用する、透明のアクリル玉が、在りし日の?「東急ハンズ」にも売っていない。そこで登場したのが、100均ショップで購入した、ある文房具の1パーツ。コレを熱湯に数秒間浸すと、アクリル内の気泡?が目立ち、結果=バルタン特有の模様?が出現…という廃品利用?となった。
◆【ハサミの製作】
初版のビリケン商会製バルタン星人は「 自身で開閉できるようにして下さい。」的な、まことに古き良きガレージキット然としていた説明書だったのだが、それに反してビリケンバルタンの再販版はハサミ=固定。なので、左右のハサミは一番小さなボルトナットを使用し開閉可能にして、真ん中は再販バルタンの「固定ハサミ」を1つ=使用した。
◆【下半身の製作】
とにかく、上半身=特に3つハサミがかなり重くて、このままだと自立せず、すぐ倒れてしまうので、3本の脚にはスチールボール(刻印のないパチンコ玉)を足先に入れ、その中にレジンを流してガチガチに固めてある。これで転倒はよっぽどのことがなければ転倒などはしなくなった。
◆【塗装について】
バルタンの場合、頭部、ハサミの形状以外は、そのすさまじい「 個性 」を再現するには、塗装に依存?することが多い(らしい)。今回の作品は、第二話=かなりホラー気質で、漆黒の夜に現れたので、普通よりもやや暗め(眼も真っキイロではなく、あえて黄+オレンジ)のバルタン星人にするべく、このように仕上げた次第です。
◆【余談】
実はこの分身バルタン、某オークションサイトで売ってしまった一品モノでしたが、売ったあと → 喪失感がハンパなく、その買い手の方にに無理を言って「買い戻した」代物(=かなりカネかかりましたが)です=もしかしたら、この事実=ご存知の方も多いでしょう。ご参考まで。
◆【ウルトラマンとの2ショット】
こんな場面は本編にはありません。あくまで「 同ビリケン製同士の、対峙する2体 」という意味合いです。同ビリケンの旧A―Typeファイティング姿勢のウルトラマンのほうが良かったかな?まぁお似合いの2人ですねぇ。
◆【結語】
怪獣(宇宙人)ガレージキットの類(たぐい)は、製作者自身が徹底的に拘(こだわ)り、好き勝手に(責任のもとに自由にという意)造りゃいいんです。当方はいままでもそうしてG.Kを楽しんで造って来ましたし、これからもガンガンそうする所存ですし、だれかれに遠慮などする必要もない。これがホビー(趣味)の醍醐味なんです。
◆【追記】
この「バルタン星人」の初登場回の演出と脚本を担当し、自他ともに「バルタン星人の生みの親」として知られる、元TBSプロデューサーの飯島敏宏(いいじま・としひろ)氏は、2021年10月17日に、89歳で逝去された。ご冥福をお祈り申し上げます。
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